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三次元測定機は定期的な校正が必要です!
三次元測定機は、本体構造や各軸スケールの経年変化などにより、機械構成の持つキネマティックエラー(※)が変化し、測定精度に影響が出る場合があります。その為、三次元測定機は、定期的に校正を行うことが必要になります。校正を行うことにより、三次元測定機が測定精度を維持できているかを確認します。校正には、機械精度の修正は含まれておりません。
測定機がキネマティックエラーを機械調整で対応できなくなった場合は、空間補正(キネマティックエラーのソフト的な補正)により、キネマティックエラーを最小化します。空間補正は、ホールプレートやレーザー測長器などが用います。
三次元座標測定機は、直行するX軸、Y軸、Z軸の3つの軸から構成されています。一般的な三次元測定機は、各軸にエアベアリングがスライドする為のガイド面を有しています。このガイド面の平面度・真直度・平行度、あるいは直行するガイド面同士の直角度を完全にゼロにすることは出来ません。各軸には位置読取り用のスケールが配置されており、測定時はそのスケールの読み値によって、空間上の位置を検出しています。このスケール自体も目盛りのピッチや真直性の誤差を持っています。これらの機械構成による誤差は総じてキネマティックエラー(幾何学誤差)と呼ばれ、このキネマティックエラーは三次元空間における座標値を正確に測る上で大きな誤差要因となります。
※キネマティックエラー:機械構成による誤差のこと(幾何学誤差)
三次元測定機の校正プロセス
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1
- 校正の内容の確認
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2
- お見積り
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3
- ご契約
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4
- 校正の実施、報告 / 校正証明書の発行
ホールプレート校正
三次元測定機は、本体構造や各軸スケールの経年変化などにより、機械構成の持つキネマティックエラーが変化し、三次元測定機が当初持っていた測定精度を維持できなくなります
三次元測定機本体の精度確保の為、本体構造の各構成部品は出来る限り高精度に加工され、精密な組み立て調整がなされています。しかし、機械調整のみでキネマティックエラーを最小化するには限界があります。その機械調整できないキネマティックエラーを、ソフト的な補正により、最小化することを空間補正と言います。
三次元測定機本体のキネマティックエラーを測定する為、ホールプレートやレーザー測長器などが用います。測定したキネマティックエラーに基づき空間補正用のパラメータを作ります。
キネマティックエラーを最小化する空間補正用のパラメータにより、三次元測定機はより高精度な測定を可能とします。
三次元測定機の校正:JCSS校正
当社は三次元測定機の校正に関して、平成22年2月25日に 独立行政法人製品評価技術基盤機構〔NITE〕よりISO/IEC17025の認定を受けました。
JCSS登録事業者として三次元測定機の出張校正、また校正証明書の発行が可能です。
ISO/IEC 17025
ISO/IEC 17025とは、試験又は校正を行う能力に関する一般要求事項を規定した国際規格です。
ISO/IEC 17025は、試験所及び校正機関が以下を実証しようと望む場合、試験所及び校正機関が満たさなければならないすべての要求事項を含んでいます。
JCSS
JCSSとは、Japan Calibration Service System の略称であり、平成5年11月より計量法に基づく校正事業者認定制度として運営してきましたが、平成17年7月1日より校正事業者登録制度となりました。本登録制度は、国際標準化機構及び国際電気標準会議が定めた校正機関に関する基準(ISO/IEC 17025)の要求事項に適合しているかどうか審査を行い、校正事業者を登録する制度です。JCSSの登録は公表されている登録区分において校正事業を実施する校正事業者を対象として、登録を希望される事業所からの任意の申請に基づき、その事業者の品質システム、校正方法、不確かさの見積もり、設備などが校正を実施する上で適切であるかどうか、定められたとおり品質システムが運営されているかを書類審査・現地審査により審査し、登録する制度です。JCSSで登録された校正事業者は、その証(あかし)として下記に示すような特別な標章の入った校正証明書を発行できることとなります。JCSS標章付き校正証明書は、そのマークによって日本の国家計量標準へのトレーサビリティが確保され、校正事業者の技術能力のあることが一目でわかるというメリットがあります。
JCSS登録内容
登録番号 | 0254 |
名称 | 株式会社メトロテック |
区分 | 長さ(形状測定器) |
種類 | 座標測定機 |
登録年月日 | 平成22年2月25日 |
校正証明書
治具、マスター等の校正
メトロテックでは、治具、マスター等の校正を行っています。詳細はお問い合わせください。